
夏、鎌倉山の庭がひまわりでいっぱいになった。

朽ちた桃の蜜を吸いに
蝶が舞い降りる。
いのちに舞い降りたのは、
放射能の傷。
* * *
震災後から、毎日
現実といわれる世界を疑い
そして
共有した真実は、たったひとつ。
私たちは、まあるい、たった一つの星の表面に生きているということ。

閉じられた無限の球の中で
無限土に種を蒔く
生きることはあらゆるものと、結び結ばれ
関係をつづること。
この、放射能でさえも。
多くのいのちの結び目の中に
放射能が入り込み、いのちを踏み違え
生態系に「ほつれ」が生ずる
再生しようにも、時は永過ぎ
永遠とは何を指すのか、解らなくなった。
この、解れに、私たちは抗う。
そして花開け。
朽ちる桃に、舞い降りる蝶
まるで、汚泥に咲く、蓮のように
ひまわりがぽっかりとした、空を向くように。
ひまわり祭りの前に、
ナワールガーデンの
寄る辺なき、いのちに祭る
向日葵が
満開になって、しまいそう。
どうか、どうか
どうか、8月7日のひまわり祭りまで、咲いていて。
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